隅田川が増水し、川沿いの歩道も浸水していた=2019年10月12日午後6時54分、東京都墨田区、福留庸友撮影

 日本の近海が熱くなっている。今年上半期の海面水温は、1982年以降の観測史上で最も高かった。海が温まることで、陸でも自然災害などのリスクが高まる。世界でも「熱くなる海」への懸念が強くなっている。

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 北海道東部~三陸沖の海域の高温について、気象庁の異常気象分析検討会の会長を務める、中村尚・東京大先端科学技術研究センター教授は風水害のリスクが高い「危険な状態」だと指摘する。

 海水温が高いほど、大気中に含まれる水蒸気量は多い状態になる。多量の水蒸気は雨雲の発達を促し、豪雨をもたらす線状降水帯の発生にもつながる。

 さらに、こうした海上の暖か…

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